管理人黒峰の日々の徒然。
主に視聴アニメやらでの叫びなど。なんだかんだうだうだ言ったり空元気でテンション高かったり色々!
懲りずにやらかしてみた一次創作でございます。
溜めていたラフ絵を起こそうとしたらこんなん出来ました、なノリです。(ぇ
最初に言うべきは血表現注意。これに限ります。苦手な方、読まないでください。
かといって血表現スキーな方が喜ぶような内容でもないです。そういう方にはきっと残念な感じ。
簡潔に説明しますとダークファンタジー風の話です。ゴシック目指したけど多分無理だ。
あまりここでは触れたくないですがどっかの西洋ぽい国をイメージして頂けるといいと思います。
いや、おっさんとのやり取りは中東ぽいイメージだったんですけどね、まぁ。(要するに適当←
途中書きたい話(最後の方)に繋がらなくなりそうになったりそっちに移行しようとしたり(普通に少女漫画路線でいきかけた)区切ろうと思ったら続いちゃったり無理矢理終わらせたりととてもgdgdです。
こないだのよりは多少設定描写してるつもりですが相変わらず名前とか容姿とか書いてません。
それと結構頑張ったつもりだけど続かないよ!それでもよろしければ!
ちなみに自作お題『愛すべき彼らと共存七題』からタイトル拝借してますが全然こんな話をイメージして作ったお題ではありませんのでお気になさらずに。むしろもっと可愛い話を想像していた!\(^O^)/
溜めていたラフ絵を起こそうとしたらこんなん出来ました、なノリです。(ぇ
最初に言うべきは血表現注意。これに限ります。苦手な方、読まないでください。
かといって血表現スキーな方が喜ぶような内容でもないです。そういう方にはきっと残念な感じ。
簡潔に説明しますとダークファンタジー風の話です。ゴシック目指したけど多分無理だ。
あまりここでは触れたくないですがどっかの西洋ぽい国をイメージして頂けるといいと思います。
いや、おっさんとのやり取りは中東ぽいイメージだったんですけどね、まぁ。(要するに適当←
途中書きたい話(最後の方)に繋がらなくなりそうになったりそっちに移行しようとしたり(普通に少女漫画路線でいきかけた)区切ろうと思ったら続いちゃったり無理矢理終わらせたりととてもgdgdです。
こないだのよりは多少設定描写してるつもりですが相変わらず名前とか容姿とか書いてません。
それと結構頑張ったつもりだけど続かないよ!それでもよろしければ!
ちなみに自作お題『愛すべき彼らと共存七題』からタイトル拝借してますが全然こんな話をイメージして作ったお題ではありませんのでお気になさらずに。むしろもっと可愛い話を想像していた!\(^O^)/
なんて最低な夜だろうか。 満月がこれほど憎らしい日もないと思う。 少なくとも十三年生きてきて一番最悪な日だろうと、少女は唇を噛み締めていた。 何もこんな日に、こんな不幸が重ならなくてもいいと思う。 憎たらしいくらい綺麗に輝いた満月を背にしているおかげで、 その姿を見ずに済んでいるのは不幸中の幸いというやつか。 無性にやるせなくなって、少女は椅子の上の自由にならない身体で真っ白な兎を抱き締めた。 腕は動かせないから、膝と身体で挟むように。 (アナタだけは、私を独りにしないでくれる?) 「悪いなぁ、お姫さん」 しゃがれた男の声がした。 ちっとも申し訳なさそうな声色ではないけれど、私が怖がっているとでも思ったのだろうか。 月明りにぼんやり照らされたこの部屋にはいい歳した無精髭のこの男と、 もう少し若く見える男、それと自分しかいない。 それほど広くもない部屋。少女の自室に比べれば、随分と小さい。 壁は所々赤黒く変色したものがこびりついていて、嫌な匂いが鼻をつく。 (まだこのお城にこんな部屋、あったのね) それでいて不釣り合いな、柔らかそうな布地がカーテンに使われているのはどういうことだろう。 「俺らだって、あんたが悪いわけじゃねぇのは分かってるんだ」 「えぇ、そうね」 男は少女の小さな頭に手を伸ばそうとして、やがて引っ込めた。 赤茶けて骨張った手は、ふわふわと質の良い髪に触れるのをためらったようだ。 「目が赤いな、泣くのはやめてくれよ」 はっと兎に顔を突っ込んで少女は白い肌を隠したけれど、 誰がこのくらいで泣くものかと、至極冷静に感じていた。 咄嗟に隠したのは、情けない顔を心を許さぬ他人見せるなと躾られているからだ。 それに少女の澄んだ碧の瞳が腫れていたのは、泣きそうだったからではない。 原因はこの男達に捕まる前の話だ。 泣いていたのは、泣きたくなるくらい悲しかったのは、 此所にいることでも身動きが取れないことでもない。 「平気よ。こんなの、慣れっこだもの」 「お前…ッ!」 声を荒げた若い男を、髭の男が制する。 少女の言葉に若い男は機嫌を損ねたようだった。 しかし少女は動じない。 手を縛られているこの状況に慣れているのは本当だった。少なくとも、初めてじゃない。 そう、今まさに少女は誘拐犯と対峙していた。 「私を人質にとってお父様と“交渉”しようとした人なんて、あなた達だけじゃないわ」 幼い瞳が毅然と大の大人の男をまっすぐに捉えた。 まるでこの騒ぎの結末が見えているような瞳は男達にとってとても腹立たしい。 どれだけの覚悟をもって自分達がこのような行動に至っているのか、まったく分かっていないのか。 この少女が自分達のような誘拐に慣れている、ということは、 それだけ娘が危険な目に遭っていようと一切取り合う気がないということだ。 「こりゃ参った、氷の王様は実の娘にも冷たいのかい」 「お父様は民にもご自分にも厳しいわ」 この国で、誰か一人でも父の心からの笑顔を見たことがあるとすれば、 それは妃である母くらいのものではないだろうか。 姫である、つまり娘の自分ですら覚えがない。 父の政策に民が困窮していることぐらい、少女さえも百も承知だった。 けれど、だからといって自分達が贅沢に暮らしているかと問われれば、 あまり、と答えるぐらいの自信は少女にはある。 民に比べれば裕福だろうが、無駄な贅沢を好んでやるほど無神経な血筋ではない。 「ご自分にも、ねぇ…」 その証拠に、父は笑わないのだと少女は思う。 好き放題暮らしていれば、自然と下卑た顔付きになろうというもの。 だがそれは民には伝わらない。 「…お父様が嫌われていることくらい知ってるわ」 父だけじゃない、民に憎まれた王族は時にこうして恨まれる。 だから“あの人”も、私を嫌いになってしまったのだろうか。 嫌なことを思い出して、少女はぎゅうと兎に顔を押し付けた。 それは誘拐にも動じない少女が泣いていた理由だった。 「そこまで自覚があって、何度も誘拐されてる割に警備もなく、無防備にお一人で休まれていたとは、 あなたもご自分の価値をお分かりでないようですが…まさか本当に交渉の材料にはならないと?」 「お姫様にはお父様のお迎えは来るのかい?」 どいつもこいつもなんて親切なの。 私という人間に価値がないことを丁寧に丁寧に教えてくれる。 価値があるのは私じゃなくて、生まれた時に持っていた、お姫様の肩書きだ。 だから“あの人”も、あんな風に笑いかけてくださっていた。 薔薇園でのお散歩も、誕生日に贈ってくれたこの兎のぬいぐるみも、 全部私がこの国の“お姫様”で、あの人が遠い国の“王子様”だったからだ。 “私”という一人の少女は、あの人にとってこれっぽっちも価値なんてなかった。 「………ないわ」 「何?」 お日様みたいに笑ってくれるあの人が好きだった。 兄のように頭を撫でてくれるあの人が好きだった。 あのひとがすきだったのに 「私に迎えなんかっ、絶対来ないわ!!」 「な…っ?!」 「何回こんな目に遭ったって、迎えになんか誰も来てくれない! 今お父様と話してるあなた達の仲間がもうすぐ降伏させられて、あなた達は捕まる、それだけよ!」 「そんな馬鹿な」 「お父様は絶対実力行使という手段は選ばない。どうあっても民の意見を退け、 自分達から私を王の前に返すように事態を収拾なさるのよ」 それは絶対的な立場を見せつけるやり方。 武力ではなく、言葉で相手をねじ伏せ反抗心を摘み採るのだ。 だから命懸けで姫を救出しようなど、そんな家臣は一人もいない。 助かったって、心配したと抱き締めてくれる人さえいないのだ。 “あの人”以外は。 何度目かに会った時、よくあることだという顔で先日遭った誘拐事件の話をした。 すると私よりも少し年上の彼は、今まで誰もしてくれなかった、 大丈夫だったかと、良かったと言って優しく抱き締めてくれた。 “王子様”の彼なら、同じような目に遭ったことがあるかもしれないって、 そしたら私が彼を抱き締めてあげたいって、そんな事を思って話しただけだったのに。 「だから、残念だけれど、私に価値なんかないのよ」 初めて誘拐に遭った後、誰も心配してくれないことが酷く心に突き刺さった。 “お姫様”の自分にさえ、価値はないのだと思い知らされたようで。 それでも、彼が抱き締めてくれたから、私は私の価値を見つけられそうな気がしたの。 でももうそれも見失ってしまった。 「私の持ってるものなんて、もうこのウサギさんくらいだわ」 この誘拐犯達は今までで一番扱いが良かったと思う。 捕まる時、抱いていたこの兎だけ持っていていいかと訊いたら、少し調べた後で許してくれた。 彼との思い出の、真っ白な兎。 誰も知らなかった寂しがり屋の私を、寂しいと死んじゃう兎みたいだからって、 そう言ってくれたぬいぐるみ。 兎が寂しさで死んじゃうなんて、そんなの嘘でしょって言ったら、 本気で信じていたみたいな彼は相当驚いて、だけど、 『寂しいのは死んじゃうくらい哀しいから、やっぱり傍にいてあげてよ』 って微笑んで。 だから優しい誘拐犯で安心したの。 あぁ、これでもし此所で死ぬことになっても、このウサギさんも私も独りじゃないわって。 「分かった、ずっと傍にいるわ…」 大事にすると言う代わりにした約束は、破らずに済みそう。 (…失恋してしまったけれど、) あの人の傍にはいられなくても。 あの人の隣には、綺麗な“お姫様”がいるもの。 (だから、寂しくないわよね?) 「そんなぬいぐるみが何の役に…!」 「!や…っ!」 自暴自棄になったように、若い男が兎を取り上げようとしてきた。 その男はげっそりと痩せていて、あまり力がない。 きっと食べる物にも困っているのだ。 「この…っ」 「やめてっ!」 「おい、落ち着け!」 でも、だからって、この兎を渡すわけにはいかない。 「うるさい!」 もう一人の男の制止も無視して、抵抗する私に向かって手を振り上げた。 その手には月明りに反射する銀色のナイフ。 (誰か、助けて…っ!) 「やめろ―――ッ!!」 ――――――ダンッ!!! 「…おい、こっちだ!」 「追え!!」 その時、今まで一国の姫が誘拐されているとは思えないほど静かだった城内が騒がしくなった。 扉の外のほど遠い所を、ドタバタと足音がして何人もの人が走り回って大声をあげている。 「な、何だ…!?」 突然の変化に自然とナイフが下げられ、室内に先程とは違った緊張が流れる。 もちろん私にも、だ。 こんなこと、今までで一度もなかった。 いつも静かなまま、お父様に負かされた人達が表情も喪失して降伏の知らせにくるだけ。 (まさか、本当に助け……?) 「ここか!?」 けれどわずかに胸に踊った淡い期待は、乱暴に開け放たれた扉と共に壊れてしまった。 わらわらと集まって来た整っていない見なりの男達。 もちろんあの人でも、城内の人間でもない。 「どうした!?」 「まずい、作戦失敗だ!!」 「こうなったら直接姫を…!!」 「きゃ…っ」 その言葉を聞いて、あのナイフの男が腕を縛っていたロープを切りつける。 あまりに荒々しく、一緒に手にも亀裂が走った。 「おい、あまり手荒なことは!」 手の甲にうっすらと細く赤い筋が浮き上がる。 それを見た髭の男はナイフの男を殴りつけた。 「誰の血も流すなって、あれだけ言っただろ!!?」 床に叩きつけられた男がナイフを握る力もなく呻いた。 さっき集まってきた男達も突然の事に立ち尽くしている。 目の前で息を切らせているこの男は、ずっとなんだかんだで私を守ろうとしてくれていた。 きっとこの人は、この国の過去と現状を、ちゃんと理解してくれているのだと今の言葉で窺えた。 どうして食べる物にも困る人がいて、娘を何度も誘拐や危険な目に遭わせて、 それでもお父様が民の声をお聞きにならないのか。 悪戯にやっていることじゃないって、多分、この人は分かってくれていた。 それなのに。 「おやおや、いけない人達だ」 月明かりに照らされた“真っ白”な人が突然目の前に現れて、 「私の可愛いウサギさんを泣かせましたね?」 次の瞬間には、部屋が真っ赤に染まった。 「…………っ!?」 急に静まり返った部屋。目の前の光景があまりに凄惨で声も出ない。 分かるのは、赤黒く乾いた壁が、新しい鮮やかな赤で塗り重ねられたこと。 その赤が、さっきまで立っていたあの誘拐犯達の血だということ。 この“真っ白”な人が、彼らを一瞬で切り裂いたのだということ。 「まったく、困った人たちでしたね」 振り向いたその人は肌も髪も服も、恐ろしいくらいすべてが真っ白で、 ただ、その瞳だけが血のように赤い。 まるで、兎みたいに。 「あぁ……可哀想に、こんなに瞳を腫らして。大丈夫だった?」 「!」 ひどく優しい声で、私の求めていた言葉で、頭を撫でてくれようとした。 けれど、返り血さえ付いていないその手が余計に怖くて咄嗟に跳ね除けた。 それで気付いた。抱きしめていたあの人の“ウサギ”がない。 「さわら……ないで…っ」 赤い瞳が丸くなる。そしてすぐにふわりと緩んだ。 「そんなに怯えないで?そう、怖い目に遭ったもの。震えてしまうのは仕方ないけれど」 「ちが…っ、私が、こわ、いの…は、」 「怖かったでしょう?だって泣いていたもの」 白い指が目尻を拭う。動けなかった。 なんなの? こんな、こんな、人を殺したのに、 その瞳が、笑顔が、手が、指が、ぬくもりが、 どうしてそんな、なんでこんなに優しいの? 「聞こえたよ、ボクの可愛いウサギさんの鳴き声」 そう言って、そっと手をとられた。 「せっかく眠っていたのに。でも安心して?これからはボクが守ってあげるから」 そして、手の甲を恭しく舐める舌。 (あ、舌も、赤い、) そんなことをぼんやり思うことしか出来ないほど、身体が熱くなって浮いている感覚が襲った。 「ん…っ!」 じわり、それでいてピリリとした刺激。 (そういえば、さっきそこ、ナイフで…) 傷口に添って、ゆっくりゆっくり、何度も舌が私の手をなぞる。 「…ぁ……いやっ!」 「…ごちそうさま」 ようやく離された腕を力なく抱き寄せた。まるで自分の身体の一部じゃないみたいだ。 滲んでいた血が舐めとられていたどころか、傷口さえ最初から何もなかったように消えていた。 「何、したの」 泣きたい。なんだか知らないけど、泣いてしまいたい。 「傷、あったでしょ?そんなの許せない。それに、」 何故こんな時に限って―――ホントは泣き虫のくせに―――泣けないのかしら。 「ウサギさんの、おいしそうだったから」 「なにそれ…っ!」 「この土地は土も空もどこもこの匂いがこびり付いていて、好きじゃないんだ」 でも、キミのは別だよ? 「…………!!!」 「わっ」 まるで聴覚を奪われるみたいに声が入ってきた。思わず赤くなってしまう。どうかしてる。 突き飛ばした身体が月光にさらされてよく見えた。 整った顔、どこか、あの人によく似てる。 (嫌だ、あの人がこんなこと、するわけないのに!) こんな兎みたいなんだから、このまま月に帰っちゃえばいいのに! 「ちょっとびっくりしたけど…ウサギさんは寂しがり屋で照れ屋さんなんだよね、知ってるよ」 (どうしてよ) 「本気で、嫌なんだから!」 (やめて) 「…どうして?ボクのこと、嫌いになっちゃった?」 (言わないで) 「最初から!好きじゃないっ」 「ずっと傍にいてくれるって、さっきも言ったのに?」 あぁ、なんてこと。 私がそれを約束したのはあの“ウサギ”。 「どうしたの…?すごく、痛そうな顔してる。どこか痛い?」 「あなた……あの“ウサギ”なの?」 「?ウサギさんはキミのことでしょ?」 「本当に、“あの人のくれたウサギさん”…?」 「あぁ、うん!ボクはキミへのプレゼントだよ!キミのことは何でも知ってる!」 最低だ。やっぱり今日は最低な日だ。 失恋して、誘拐されて、目の前で人が殺されて、殺したのは大好きだった人からのプレゼントで。 そういえば、まだ、あの人たちは床に。……感覚が麻痺してる。 むせ返るような血の香が、もう私には届かないみたいだ。 「ねぇ、ずっと傍にいてね?ボクもキミの傍にずっといる。キミの願い通り、約束通り。」 私の望んだのは、こんなことじゃなかったのに。 「キミが泣いていたら、どこにだって行くよ。」 あの鳴き兎の元まで。 ウサギの目が赤いのは、血の涙を流したからさ。
PR
この記事にコメントする