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管理人黒峰の日々の徒然。 主に視聴アニメやらでの叫びなど。なんだかんだうだうだ言ったり空元気でテンション高かったり色々!
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ほぼスザクの独白ですが、ユフィ追悼SSです。

ユフィが息を引き取った後、その傍で、というシチュエーションです。
喪失感いっぱいで暗い感じですが騎士姫、ユフィスキーとしての精一杯の気持ち。

(サイト閉鎖に伴い、再掲載になります※掲載2011/2/10)

どれだけ強く君を抱きしめていたら

この手から滑り落ちないでくれただろう……




チェリー




目の前で横たわる君からは

あの心地よさそうな寝息はもう消えてしまって



色を失った白い肌はまだ

しっとりと、苦しんだ跡の汗を滲ませて



深い影を落とした睫毛からはもう

透き通るアメジストの瞳が覗くことは二度とない




「ユフィ……」



呼びかけたって

甘いソプラノはどこかに消えて届かない




握り締めた手は、凍ったように冷たくて

僕を包んでくれていた頃の温かさは

この手の記憶の中でだけ生きる



これからもずっと。

変わることなく永遠に。



綺麗なはずの言葉が

今の僕にはひどく残酷で。


二度と取り戻せない事実だけが


心をズタズタに切り裂くだけ。





「どうして君が」



どうして君が、僕を置いて、逝ってしまう?



守れなかった、僕への罰だろうか


人殺しのくせに

騎士だなんて

君を守るなんて


約束をした愚かな僕への罰だろうか



君を失ってしまったことが

残される苦しみが


裁かれずに生きる僕への


何よりの罰になると



誰かが君に囁いたのか




「……どうして、君が」



どうして君が、虐殺命令なんて



誰よりも日本人を想ってくれた君が

何よりも争いを嫌っていた君が



この真っ白な手で、君が殺した?




ユフィが、誰かを殺した?




そんなこと、あるわけがない


あって良いはずがない



悪い夢だって、

勘違いだって、


意地悪な嘘だって、



一言、君から聞きたかった




だけどユフィは、覚えていなかった


命令はおろか

式典会場の惨劇さえ



だから僕は、誰が何を言おうと

どれだけユフィを悪く言おうと



「…真実を突き止める。」



最初で最後の嘘をつく


―日本人の未来は開かれた―


そう、君に嘘をついた



これからこの“俺”が


その未来を閉ざそうとしているのに



「…ゼロ」


黒いマントと仮面の男。



俺は君を、許さない。



咎めることは出来ないだろう?




君も俺も





同じ人殺しなのだから。




「ユフィ」


どれだけ強く君を抱きしめていれば

君を失わずに済んだだろう



血の気を失って冷えていく君の中で

唯一色を失わず


そこに在り続ける桜色



「今まで……ありがとう」


ひらひらと風に舞う桜と違って



俺の手の中に在り続けてくれていれば



ずっと、隣を歩いていられれば




この手を二度と血に染めることなく







俺は優しい君の手に 掴まっていられたのに
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絵とか文とかお題とか創作してる節操なし。狭く浅く手を出しています。
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