管理人黒峰の日々の徒然。
主に視聴アニメやらでの叫びなど。なんだかんだうだうだ言ったり空元気でテンション高かったり色々!
何気にバレンタインシリーズで続きます。
こちらは相変わらずビターな応酬をしているルルシーのVD。
(サイト閉鎖に伴い、加筆修正した上での再掲載になります※加筆修正2011/2/10)
甘いやり取りは期待しないでください。基本嫌味の言い合いです。爆
C.C.が何を考えているのかはご本人にしか分からないでしょう…←
始終振り回されるルルの語り。
こちらは相変わらずビターな応酬をしているルルシーのVD。
(サイト閉鎖に伴い、加筆修正した上での再掲載になります※加筆修正2011/2/10)
甘いやり取りは期待しないでください。基本嫌味の言い合いです。爆
C.C.が何を考えているのかはご本人にしか分からないでしょう…←
始終振り回されるルルの語り。
最近毎日の様に白いバイクがここに来る。
あぁほら、今日もまた…。
何の用かって?
唯一C.C.の元に訪れる来客だ――……
冷める前にどうぞ
それまで我が物顔で俺のベッドを乗っ取り、くつろいだ姿勢で適当に買ってやった雑誌をめくっていたC.C.が手を止める。
彼がやって来ることを察知して、雑誌を広げたままベッドから降りた。
いつものことだが、パソコンと向き合っている俺には何も告げずにいそいそと部屋の外へ出ていく。
心なしかその足取りは軽い。
C.C.が急ぐ理由としては、待ち遠しいというのと、まぁあいつにとってはついでかもしれないが、ナナリーや咲世子さんが彼を出迎えて面倒なことにならないようにというまともな理由もある。
共犯者らしく、一応協力姿勢ではあるからな。
やがてエンジン音が近くなり、部屋に残された俺はパソコンの前を離れ、床に散乱した雑誌を拾い集めてベッドの上にやや雑に置いた。
放っておいても片付けてくれるとでも思っているのか、C.C.は片付けという言葉を知らない。
ちなみに俺が雑誌をまとめたのは無論あいつの為ではなく、床に散らばっているとナナリーの車椅子の邪魔になるからだ。
でなければ、あいつが散らかした物を片付けてやる義理はない。
…あるいはそれを分かってやっているのかもしれないが。
いつもなら片付けている間に彼は帰り、C.C.も戻ってくるのだが、今日は幾分遅い。
…何かもめ事でも起こしてるんじゃないだろうな。
やめてくれ。
ただでさえ頻繁に彼が来ることでナナリー達やアッシュフォード家に不審がられてもおかしくないのに、これ以上目立つ様な真似は。
とっさの事だったとはいえ、ポイントを溜めているなんて嘘はナナリーについただけで十分だ。
咲世子さんは今買い物に出ているから、何があっても大丈夫だとは思うが。
…まぁ良い。
今のうちにやることをやっておこう。
「ん?」
彼の届け物――もちろん代金は俺が払っている――である平らな箱を両手に抱えて戻ってきたC.C.は、扉が開くなり俺を見て足を止めた。
「何だルルーシュ、制服など着て。今から学校へ行くのか?」
「あぁ」
俺は短く答えて、上着に袖を通した。
一瞬立ち止まったC.C.はすぐに再び歩きだした。
「随分と重役出勤だな。今日は休むんじゃなかったのか?」
知らぬ間に整頓されたベッドにまた皺を作る。
大儀そうに箱を置き、自分もベッドの上で落ち着く。
「授業はもう終わっているだろう。妹も帰ってきているし」
言いながら、まずは箱から漏れてくる匂いを楽しんでいるようだった。
「授業を受けるつもりなら、とっくに行ってる」
「なら、何故いまさら」
鞄を用意する手を止め、俺は壁にかかったカレンダーを指さした。
「今日は授業のある時間帯に行くと面倒だからな」
箱を開けようとしていた手を止め、C.C.もそれを見た。
「ん?…あぁ、確かバレンタインと言ったか」
「女子がうるさいんだ、行くと」
C.C.は目を細める。
「ほう?それはまた…人気者は忙しいな」
意図を正確に読み取って返してくる。
「変わってやろうか?」
「結構だ」
売り言葉に買い言葉だったが。
即答して、話題に飽きたのかそれきり押し黙り、白い箱の蓋を開けるC.C.。
何故か中身をしげしげと見つめている。
この日に学校へ行くと、軽い騒動になる。
大勢で追いかけ回されたり、待ち伏せされたり。
その都度隣にいたリヴァルがからかい半分で羨ましいと言ってきたが、俺としては無駄な体力の消費でしかない。
事後処理も面倒だ。
謙虚に呼び出されたりするのはまだ丁重に断ればそれで良いが、会長のお遊びで囮に使われたりするのはもうごめんだ。
机なんかに置いていかれるのも返しようがなくて困る。
ナナリーにやろうとしたら相手に失礼だと諫められ、結局大半は欲しがるリヴァルにやり、残りは数日かけて食べ続ける羽目になるのだから質が悪い。
「…なら何故行く?行くとうるさいのだろう?」
中を見つめたまま、C.C.は怪訝そうな顔をしていた。
まだ会話は続いていたらしい。
「机の中とか、そういう場所を調べに。もしも入っていたらやる。たまにはそれ以外の物も食べたらどうだ」
「あぁ…お前の用意する食事は味気ないからな。これが一番美味い」
くすくすとC.C.は不敵に笑う。
「他人宛の贈り物をもらう趣味は無いが、困るというならもらってやらないこともない」
静かにそう言って、箱の中身を一切れ取り出して食べ始めた。
…何か、いつもと違う感じがするのだが気のせいか。
「ルルーシュ」
「何だ」
「ではお前は、ひとつも食わないのか」
両手に余るほどもらうのだろう、と咥えながら話す様はなんとも間抜けな絵面だった。
「…そうでもない。ナナリーや咲世子さんからは毎年ちゃんと受け取っているし、会長達にも召集をかけられているから、バレンタイン祭とか言ってまた騒ぐだろう」
去年もそうだった。
会長はお祭り好きな上に料理もよくやるからこういうイベントは逃さないし、シャーリーとニーナと一緒に今頃何か作っているだろう。
カレン…は参加するのか不明だが。
どうせ強制参加だろうから、逃げまわっている頃かもしれない。
リヴァルも会長から貰える(全員共通だが)機会だから必死になるし、今年はスザクもいる。
軍の仕事があると言っていたから、途中で抜けることになるだろう。
「机周辺を調べたら生徒会に顔を出す。サボると後で何をされるか分からないからな」
「……」
「何が言いたい」
「いや、別にシスコンだなんて思っていないさ」
あっさり言ってのけ、最後の一口を放り込んだ。
「…どこにそう思う要素がある」
「思っていないと言っているだろう。悪いとも言っていない」
もう一切れ取り出すと、また同じように口に運んだ。
「私は寧ろ、その方が良いとさえ思っている。それがお前の、生きる理由なのだろう?」
「…否定はしない」
一瞬、C.C.と目が合った。
無言の瞳が、何か語っている気がした。
「確かにナナリーは俺の生きる理由だ。…だが、シスコンじゃない」
――…不器用な奴…
「理由があるなら別に良い。そうでなければ、私が面白くない」
「勝手な女だな。分かっているが」
「分かっているなら諦めろ」
相変わらずの無表情で、C.C.は食べ続けた。
人の金で勝手に配達を頼んで、人の部屋とベッドを勝手に乗っ取ってくつろいで、言いたい放題なこの共犯者をどうして我が侭でないと言える。
もしかしなくとも、一番借りを作っているというのに。
ひとつ溜息をついて、鞄を手にした。
「良いか、迂闊に外に出るなよ」
「言われなくとも、分かっている」
俺としても、その方が有り難い。
いつか学校に入り込んでいたこともあるし、釘を刺しておいただけだった。
すっかり三角形のそれに夢中になっているC.C.を背に、扉の方へと歩き出す。
「ルルーシュ」
「何だ、まだ何か、」
振り向きざま、いつの間にか背後に忍び寄っていたC.C.が手に持った欠片を口内に無理矢理放り込んでくる。
いつもなら一片もくれてやる気などないくせに、どういう風の吹き回しだ。
しかし、予想していた味と、鼻腔に漂う香りが少し違っていた。
「本日限りのバレンタイン仕様だそうだ。どうだ?」
生地にかかる、見慣れないようで見慣れた黒いソース状のモノ。
口に広がる、甘くないピザの味…と、ほろ苦い甘さ。
「…妙な物を食わせるな」
何故か、奇妙に合っていた。
あぁほら、今日もまた…。
何の用かって?
唯一C.C.の元に訪れる来客だ――……
冷める前にどうぞ
それまで我が物顔で俺のベッドを乗っ取り、くつろいだ姿勢で適当に買ってやった雑誌をめくっていたC.C.が手を止める。
彼がやって来ることを察知して、雑誌を広げたままベッドから降りた。
いつものことだが、パソコンと向き合っている俺には何も告げずにいそいそと部屋の外へ出ていく。
心なしかその足取りは軽い。
C.C.が急ぐ理由としては、待ち遠しいというのと、まぁあいつにとってはついでかもしれないが、ナナリーや咲世子さんが彼を出迎えて面倒なことにならないようにというまともな理由もある。
共犯者らしく、一応協力姿勢ではあるからな。
やがてエンジン音が近くなり、部屋に残された俺はパソコンの前を離れ、床に散乱した雑誌を拾い集めてベッドの上にやや雑に置いた。
放っておいても片付けてくれるとでも思っているのか、C.C.は片付けという言葉を知らない。
ちなみに俺が雑誌をまとめたのは無論あいつの為ではなく、床に散らばっているとナナリーの車椅子の邪魔になるからだ。
でなければ、あいつが散らかした物を片付けてやる義理はない。
…あるいはそれを分かってやっているのかもしれないが。
いつもなら片付けている間に彼は帰り、C.C.も戻ってくるのだが、今日は幾分遅い。
…何かもめ事でも起こしてるんじゃないだろうな。
やめてくれ。
ただでさえ頻繁に彼が来ることでナナリー達やアッシュフォード家に不審がられてもおかしくないのに、これ以上目立つ様な真似は。
とっさの事だったとはいえ、ポイントを溜めているなんて嘘はナナリーについただけで十分だ。
咲世子さんは今買い物に出ているから、何があっても大丈夫だとは思うが。
…まぁ良い。
今のうちにやることをやっておこう。
「ん?」
彼の届け物――もちろん代金は俺が払っている――である平らな箱を両手に抱えて戻ってきたC.C.は、扉が開くなり俺を見て足を止めた。
「何だルルーシュ、制服など着て。今から学校へ行くのか?」
「あぁ」
俺は短く答えて、上着に袖を通した。
一瞬立ち止まったC.C.はすぐに再び歩きだした。
「随分と重役出勤だな。今日は休むんじゃなかったのか?」
知らぬ間に整頓されたベッドにまた皺を作る。
大儀そうに箱を置き、自分もベッドの上で落ち着く。
「授業はもう終わっているだろう。妹も帰ってきているし」
言いながら、まずは箱から漏れてくる匂いを楽しんでいるようだった。
「授業を受けるつもりなら、とっくに行ってる」
「なら、何故いまさら」
鞄を用意する手を止め、俺は壁にかかったカレンダーを指さした。
「今日は授業のある時間帯に行くと面倒だからな」
箱を開けようとしていた手を止め、C.C.もそれを見た。
「ん?…あぁ、確かバレンタインと言ったか」
「女子がうるさいんだ、行くと」
C.C.は目を細める。
「ほう?それはまた…人気者は忙しいな」
意図を正確に読み取って返してくる。
「変わってやろうか?」
「結構だ」
売り言葉に買い言葉だったが。
即答して、話題に飽きたのかそれきり押し黙り、白い箱の蓋を開けるC.C.。
何故か中身をしげしげと見つめている。
この日に学校へ行くと、軽い騒動になる。
大勢で追いかけ回されたり、待ち伏せされたり。
その都度隣にいたリヴァルがからかい半分で羨ましいと言ってきたが、俺としては無駄な体力の消費でしかない。
事後処理も面倒だ。
謙虚に呼び出されたりするのはまだ丁重に断ればそれで良いが、会長のお遊びで囮に使われたりするのはもうごめんだ。
机なんかに置いていかれるのも返しようがなくて困る。
ナナリーにやろうとしたら相手に失礼だと諫められ、結局大半は欲しがるリヴァルにやり、残りは数日かけて食べ続ける羽目になるのだから質が悪い。
「…なら何故行く?行くとうるさいのだろう?」
中を見つめたまま、C.C.は怪訝そうな顔をしていた。
まだ会話は続いていたらしい。
「机の中とか、そういう場所を調べに。もしも入っていたらやる。たまにはそれ以外の物も食べたらどうだ」
「あぁ…お前の用意する食事は味気ないからな。これが一番美味い」
くすくすとC.C.は不敵に笑う。
「他人宛の贈り物をもらう趣味は無いが、困るというならもらってやらないこともない」
静かにそう言って、箱の中身を一切れ取り出して食べ始めた。
…何か、いつもと違う感じがするのだが気のせいか。
「ルルーシュ」
「何だ」
「ではお前は、ひとつも食わないのか」
両手に余るほどもらうのだろう、と咥えながら話す様はなんとも間抜けな絵面だった。
「…そうでもない。ナナリーや咲世子さんからは毎年ちゃんと受け取っているし、会長達にも召集をかけられているから、バレンタイン祭とか言ってまた騒ぐだろう」
去年もそうだった。
会長はお祭り好きな上に料理もよくやるからこういうイベントは逃さないし、シャーリーとニーナと一緒に今頃何か作っているだろう。
カレン…は参加するのか不明だが。
どうせ強制参加だろうから、逃げまわっている頃かもしれない。
リヴァルも会長から貰える(全員共通だが)機会だから必死になるし、今年はスザクもいる。
軍の仕事があると言っていたから、途中で抜けることになるだろう。
「机周辺を調べたら生徒会に顔を出す。サボると後で何をされるか分からないからな」
「……」
「何が言いたい」
「いや、別にシスコンだなんて思っていないさ」
あっさり言ってのけ、最後の一口を放り込んだ。
「…どこにそう思う要素がある」
「思っていないと言っているだろう。悪いとも言っていない」
もう一切れ取り出すと、また同じように口に運んだ。
「私は寧ろ、その方が良いとさえ思っている。それがお前の、生きる理由なのだろう?」
「…否定はしない」
一瞬、C.C.と目が合った。
無言の瞳が、何か語っている気がした。
「確かにナナリーは俺の生きる理由だ。…だが、シスコンじゃない」
――…不器用な奴…
「理由があるなら別に良い。そうでなければ、私が面白くない」
「勝手な女だな。分かっているが」
「分かっているなら諦めろ」
相変わらずの無表情で、C.C.は食べ続けた。
人の金で勝手に配達を頼んで、人の部屋とベッドを勝手に乗っ取ってくつろいで、言いたい放題なこの共犯者をどうして我が侭でないと言える。
もしかしなくとも、一番借りを作っているというのに。
ひとつ溜息をついて、鞄を手にした。
「良いか、迂闊に外に出るなよ」
「言われなくとも、分かっている」
俺としても、その方が有り難い。
いつか学校に入り込んでいたこともあるし、釘を刺しておいただけだった。
すっかり三角形のそれに夢中になっているC.C.を背に、扉の方へと歩き出す。
「ルルーシュ」
「何だ、まだ何か、」
振り向きざま、いつの間にか背後に忍び寄っていたC.C.が手に持った欠片を口内に無理矢理放り込んでくる。
いつもなら一片もくれてやる気などないくせに、どういう風の吹き回しだ。
しかし、予想していた味と、鼻腔に漂う香りが少し違っていた。
「本日限りのバレンタイン仕様だそうだ。どうだ?」
生地にかかる、見慣れないようで見慣れた黒いソース状のモノ。
口に広がる、甘くないピザの味…と、ほろ苦い甘さ。
「…妙な物を食わせるな」
何故か、奇妙に合っていた。
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