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管理人黒峰の日々の徒然。 主に視聴アニメやらでの叫びなど。なんだかんだうだうだ言ったり空元気でテンション高かったり色々!
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11話「ナリタ攻防戦」補完・ちょっとシリアス騎士姫です。
あくまでちょっと、なのでシリアスにも分類し難いところですが;

前回の雰囲気モノよりはスザ×ユフィ目指しました。
ただ恋愛感情ではなさそうーなスザユフィです。(ぇ  特にユフィが。
でも全く恋愛感情でないというわけではなく、自覚ナシな感じで。

これ以後、スザクがお姉様に絡まれる展開希望。笑
なかなかスザクに出番が無い上、長いです。

…長いので何回かに分けることにしました。ここは第一弾。


「…准尉!枢木准尉!…応答して!スザク君――――…!」
特別派遣嚮導技術部に、悲鳴にも似た声が響いた。

Good night...

静かに、祈るようにして胸の前で手を組み、目を閉じていたユーフェミアは、一つの声を聞きつけて反射的に顔を上げた。
「ユーフェミア副総督…」
「!総督…っ」
眼前の作戦モニターの中央に新たな画面が開き、そこには鮮やかな薄紫と、端正な顔立ちを持つ女性が映った。ここ、エリア11の総督にして神聖ブリタニア帝国第二皇女。そしてユーフェミアの実姉コーネリアその人であった。ユーフェミアは画面をほっとしたように見つめる。
「そちらは問題ないか?」
総督の顔をして尋ねるコーネリアの顔には、似合わず疲労の色が見え、平生の凛とした面立ちもいささか薄れていた。
「はい、問題ありません。…総督は」
言いさして、コーネリアはいつもの顔に戻り、案ずるなと告げた。心配させてはならない。
「撤退だ。…エナジーフィラーが尽きたので、後でギルフォードに回収させる」
日本解放前線、黒の騎士団と争ったコーネリアの機体は、さすがにエネルギーに限界が来て動かなくなってしまった。先程ギルフォードに連絡を入れたので、もうしばらくすれば回収に来るだろう。
そこまで言って、コーネリアは息を吐き出した。
「…副総督」
「はい」
「ナンバーズに命令を下したのはお前だろう」
「…はい」
姉の無事を確認し、一時緊張の解けたユーフェミアはその言葉にもう一度顔を強張らせた。
「勝手な命令をして申し訳ありません…」
黒の騎士団に囲まれた姉の危機を察知し、しかし自身は動けないユーフェミアは特別派遣嚮導技術部、通称特派の協力を要請した。姉を必ず救ってみせると、彼が言ったから。
「いや、最良の判断だったよ」
そう言うコーネリアは、少し口惜しそうにしていた。あの忌々しいテロリストどもに囲まれ、術中に嵌った自分達の中に動けるものはいなかった。ナンバーズの助力だったことはともかく、奴の介入によって事なきを得た。今回敗北したことも含め、認めなければならないことばかりだ。
「あの…総督」
内心毒づいていたコーネリアは、弱々しいユーフェミアの呼びかけに気付き低く、だが優しい声音で応えた。
「何だ」
「その…ランスロットは…」
どうしたのですか、と。何故かそこまでは口に出来なかった。
「ランスロット?」
コーネリアが“ナンバーズ”と呼ぶ、特派所属の第七世代ナイトメアフレーム・ランスロットのパイロット枢木スザクにコーネリア救出を依頼してからというもの、ユーフェミアの胸中は姉の無事、そしてスザクの無事を祈る想いが占めていた。こうして姉が無事であるということは、彼は上手くやってくれたのだろうが…。
「奴にはゼロを追うように命令した。…奴がどうかしたのか?」
「…それが…」
妹のあまりにも暗い表情に、コーネリアは整った眉をひそめた。
“これよりゼロを捕獲します”
その言葉を最後に、スザクからは連絡が無かった。加えて、モニターに映るランスロットを示す丸いポイントは一向に動く気配が無い。撤退命令が出ているというのに。特派からも連絡が無いのだから、大事には至っていないと思うが…。
「…ユフィ?」
コーネリアの穏やかな声がした。同時に、頭の中で思い起こす。
“ユフィ”
声に出してはいなかったものの、画面の向こうのスザクの唇は、確かにそう動いたように見えた。あの優しい声で呼ばれていた時が、胸中に溢れて響いてくる。
黒の騎士団を名乗るテロリスト集団を率いる首領、ゼロ。彼と対峙したとあっては何があっても最早不思議ではない。苦しくなるほどに、無事への祈りが募る。
「―…何?ランスロットが暴走?」
ユーフェミアははっとした。隣に並んでいた軍官の一人が、モニターに向かって訝しげな表情でそう言った。こちらからは画面が見えないモニターからは、飄々とした男性の声がする。
「いや、だから、ランスロットが暴走したわけじゃなくて。…大丈夫ですよぉ。丁度エナジーフィラーが尽きたので、今から回収してきますから」
軍官は、命令を遂行しないランスロットと連絡を取ろうとして叶わず、直接特派に連絡を取ったらしい。それが撤退であろうと、総督の命令は絶対だ。命令が出た以上、命を遂行しなければ待ち受けるのは死、のみ。
「壊さないでくださいよ?」
そう言って、モニターからは音が消えた。軍官達は、意気揚々と出て行くからだ、と嘲笑していた。
…しかしそれを聞く者は彼ら以外にいない。

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